2023年1月20日 – 22日
鷲見友佑は、近作の《bind》や New Balance とのコラボレーションにおける装身具、あるいはファッションブランド「HATRA」のアクセサリーピースの制作など、プラスチック製品を用いた装着可能な作品で知られています。しかし、鷲見の制作には、それらが「身につけられるもの」であるのと同時に、そもそも身体が何かをつけることで別のものに変容するということ、あるいは何かを憑依させることのできる媒体であるということが根底にあります。
インターネットやゲームにおいて自身の分身であるアバターが代替可能なものであるように、現実における私たちの身体についても「装身」を通じて「変身」の可能性を模索することができるでしょう。鷲見の作品は、プラスチックという素材と3DCGに共通する表面性および中空性を手がかりに、此岸(リアル)と彼岸(ヴァーチャル)を行き来することで、「包装」ないし「装飾」というテーマから現代における空虚な身体性を問い直していると言えます。
本作は、今日における儀式の場として、TOPPAN VIRTUAL HUMAN LAB.(凸版印刷株式会社)のサポートのもと、高精度の人体計測(3Dスキャン)が可能な装置「ライトステージ」を舞台に撮影されました。日本伝統音楽を研究する kengoshimiz が音響を担当するのを筆頭に、石垣星児(写真)や 北原成貴(映像)、藤田卓見(演出補助)など、鷲見と同世代の感性も結集。鷲見の活動を研究対象とし、本作における共同研究者でもある山野井千晶によるリサーチの成果も併せて展示します。
執筆 / リサーチ / 記録:山野井千晶
音響:kengoshimiz
写真撮影:石垣星児
映像撮影:北原成貴
演出補助:藤田卓見
ヘアメイク:李 静文
記録:森 洋介
協力:室 諭志(株式会社ロフトワーク MVMNT Unit / NEWVIEW CYPHER)、Upload AIR
企画・撮影協力:TOPPAN VIRTUAL HUMAN LAB.(凸版印刷株式会社)[田邉 集、上田直希、立花大次郎、内野泰敬、中野 翼]